2006年11月7日現在

〜AITCH07'A/W ITEM〜

06SSから取扱いを始めたAITCHの紹介です。元PPCMの一員である渡辺拓氏のブランドですが、07SSからMIZUNO CREATIONのデザインに専念するため一時AITCHとしての活動を休止します。デザイン的にはそのままMIZUNO CREATIONに統合される形になりますので、渡辺氏のデザインする服は引き続き紹介していくことになりますが、AITCHとしてのアイテム展開は今回の紹介で一度お休みとなりますので、この機会に是非見ておくことをお勧めします。

今シーズンのAITCH一押しアイテムでのコーディネートです。厚みのあるウールというカジュアルとしてはちょっとヘヴィな素材にもかかわらず、シャツジャケに側章入りのパンツという力の抜けたアイテムをチョイスし、見た目にも軽くリラックスした雰囲気を醸しだし、それ以上に着ている本人が非常に良い着心地を味わえます。オリジナル生地にこだわり目に見えないディテールに凝った長く愛用出来るデイリーユースな服を標榜するAITCHらしいコーディネートです。

AITCH SHRUNK FINISHED ANGORA/WOOL BEAVER SHIRT JACKET (税込) 43,050
AITCH SHRUNK FINISHED ANGORA/WOOL BEAVER SIDE LINE PANT (税込) 32,550
AITCH COTTON/SILK S/S TEE (税込) 12,600
COMPLETE PANCHING LEATHER SNEAKER (税込) 24,990

通常ビーバーと呼ばれる生地はウールで作られますが、これはウールとアンゴラを混紡して柔らかさを出した物を使用。更に通常のビーバーはもっと毛足が長いのですが、その肌触りはそのままに長い毛足により光沢が出てしまうことを嫌いもっとドライなタッチになるようにとビーバーの毛足を刈り込んで短くして、更に洗い加工をした物が今回の素材です。と、生地について言葉で説明するのは簡単なのですが、糸から吟味して織りを指定して織った生地を更に刈り込み洗いをかけるという手間の掛かる工程を積み上げて納得の行く生地感を出そうというこだわりは、他のクリエイターの追随を許しません。

デザイン的にも一見シンプルなミリタリーディテールのシャツジャケですが、胸ポケットの周囲に革をパイピング風にあしらったり内ポケットをワーク風の山型にして頂点をボタンで留め、そのボタンの裏に使った力ボタンをわざと表に見せてアクセントにしたりと細かいところにデザインが散りばめられています。そしてデザインのみならず縫製仕様の面でも着心地を考慮した工夫が成されていて、襟を全て共地で作ってしまうのではなく台襟の裏と襟の裏をキュプラの裏地にし、更に襟と台襟のつなぎ目では襟の生地を台襟の中に挟んで縫い込むのではなく台襟の内側に手縫いで留めることにより襟のゴロゴロ感を解消し、ミリタリーテイストな襟にも関わらず軽く返りの良い物にしています。どの工夫も普通は見落としてしまったり気にしないでこういう物だと諦めてしまっていたりする部分に本当にこれで良いのか、もっと良くなる方法があるのではないかと想いを馳せることに拠ってしか成し得ない物で、長く着回して味が出ると尚更手放せない愛着の湧く一着になることを目指すデザイナーのポリシーが伺えます。

AITCH SHRUNK FINISHED ANGORA/WOOL BEAVER SHIRT JACKET (税込) 43,050

同じ素材を使ったパンツです。厚手のウールのパンツって明らかに秋冬、特に寒くなってからという点では冬がメインのアイテムで着用時期が長いとは言えません。実は今シーズン別にコットン素材のパンツも取っているのですが、それでも敢えてこのパンツを一押しにしたのはなんと言っても厚手のウールパンツという物に対する既成概念を取り払う素晴らしい履き心地とシルエットからです。しかもAITCHの見えないところへのこだわりというのがしっかりと反映されていて、このパンツも内側の仕様が素晴らしいです。全てにストライプの生地でパイピングがされていてマーベルトの内側もパイピングと同素材、そして股の部分にはこれ又同じ素材で股補強が付けてあり摩擦に弱いウール素材に対して身体に触れて擦れる部分への配慮が行き届いています。

そしてアクセントの側章も嫌味に太い物ではなくメリハリを効かせる効果はしっかりと出しつつもスッキリと見える様に入っています。ポケット縁の延長がサイドに縫い込まれる部分に打たれたリベットも生地が重なってゴロゴロしてしまう部分を押さえて見た目にも履き心地にも成る程と思わせる仕様です。ジャケットに関してもパンツに関しても細部に渡る工夫をいちいち説明するのは野暮だとは思いますが、それを承知で敢えて書くのはAITCHの商品コンセプトが一見分かりにくいからです。こんなに気を使ってきっとかなりの時間をかけてディテールにも生地にも工夫をしてもそれを語れる人が少ないからか、なかなか末端ユーザーにその価値を理解して貰えていない気がしてなりません。これだけ蘊蓄を語れば来て見て頂く時に敢えて語らなくても良いかなと(笑)

AITCH SHRUNK FINISHED ANGORA/WOOL BEAVER SIDE LINE PANT (税込) 32,550

このページを閉じる