WHIPPING FLOYD(ウィッピングフロイド)

 EUの中で独特のデザインセンスとあまり荒らされていない未開拓のエリアとして注目されるのが北欧。このウィッピングフロイドも北欧はスウェーデンのブランド。スウェーデン発のデニムブランドとして知られる“NUDIE JEANS”のセカンドラインとして05'の春夏よりスタートした新鋭ブランドで、日本での展開は06'春夏から。B.A.Tでは日本での展開が始まった06'SSより取扱いをしていたが、当初Tシャツコレクションのみだったので取扱いブランドページでの紹介は控えていた。が、06'AWよりトータルブランドとして展開を始め、この07'SSで3シーズン目に入り満を持しての紹介となった。デザイナーはMartin GustavssonとMagnus Heedの二人。このウィッピングフロイドのブランド名の由来がユニークで、1959年6月26日、スウェーデン人ボクサーIngemar Hohanssonが当時のボクシング世界ヘビー級チャンピオンであったアメリカ人のFloyd Patterson(ちょっと蘊蓄w:カンガルージョルトと名付けられたスペシャルブローを持つ有名ボクサー)に勝利し、スウェーデン人初の世界チャンピオンとなったのみならず26年振りにアメリカ人からチャンピオンシップを奪還した初のヨーロッパ人としてヨーロッパ全土に旋風を巻き起こした伝説のボクシングマッチに由来する。カットソーを中心としたトップスは、ボクシングをメインに様々なスポーツや音楽、さらには広告や看板などのアイキャッチにインスピレーションを得ており、北欧のフィルターを通したアメカジ的デザインの中にボーダレスな雰囲気のプリントで独特の味を出している。T-Shirt CollectionとTotal Collectionの2ラインそれぞれに毎シーズン“トゥルーストーリー”に基づいたシーズンテーマがあり、ユニークなグラフィックと鮮やかなカラーが特徴。ロンドンのリバティなどEU圏の有名セレクトショップが既にファーストコレクションから大々的に取り上げており、そこからもクオリティの高さが伺える。B.A.Tでも待望のEUで生産しているのにお値頃感のある優良EUブランドだけに期待度大。

WHIPPING FLOYD MARMON WASP S/S TEE (税込)¥6,090
WHIPPING FLOYD RON DY VOO S/S TEE (税込)¥6,090
WHIPPING FLOYD Sir HENRY S/S TEE (税込)¥6,090

 TシャツコレクションとトータルコレクションどちらにもTシャツは有り、どちらもそれぞれに味のある物になっている。しかしいずれにしろベースになるデザインソースが60'S・70'Sのアメリカンカジュアルであることは見ての通り。しかしながらスウェーデンと言う北欧のフィルターを通すとこんな風に何処か洗練された物になるから不思議。ボディもプリントも独特のカラーリングでベタなアメカジなのにありがちではない物に昇華している。ヌーディージーンズというジーンズブランドのセカンドラインという位置付けだけにジーンズに併せやすいのは勿論だが、ユーロ生産のTシャツとしては取り扱うTシャツの中でもレベルの高い物になっている。

WHIPPING FLOYD ABE ATTEL SHIRT (税込)¥14,700

 この作り込みでこのプライスだと本当にユーロ生産か疑ってしまう程。でも正真正銘ユーロ生産ですのでご安心を。それにしても胸にチェーンステッチと普通の刺繍の2種類の刺繍を入れ、そして背中もWHIPPINGの“W”の形になるようにパーツ分けした物をパッチワークで組み合わせた凝った仕様のシャツなので、コストパフォーマンスの高さは他の追随を許しません。ユーロ高の影響でこのプライスが多少上がるのは時間の問題ですが、Tシャツ以外のアイテムはクオリティとプライスのバランスを考えるとユーロ好きの人は買っておくべき物だと思われます。

WHIPPING FLOYD BERBICK POLO (税込)¥10,290

 これもフロントは3色切替で、更に勲章風刺繍が入っており手の込んだ一着。もう一色トリコロールの物もあるがそちらはそちらで良い感じ。ま、折角紹介するんだからスウェーデン色の出た色組みの物をと思い、こちらの写真を載せることにした。とは言えその出来の良さは写真を見ていただければお判りな事だろう。襟と袖口のリブもボディの切替に合わせたライン入りの物を織立てていて、右袖にはプリントも入っているという徹底振り。これでいて税抜きだと1万円を切ってしまうから恐ろしい。近年のビジカジの提唱の影響で、B.A.Tでもビジカジ対応出来るポロというのが多くなっているが、純然たるカジュアル、特にジーンズスタイルにだってポロをお勧めしたい。その意味でこのポロはまさにドンズバな一品。ビジカジ対応じゃなくてどカジュアルなのに何故か上品に見えるのはやはり北欧味付けのなせる技なのかも知れない。
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